薬剤師が優先すべきは、医師か患者か

薬剤師が優先すべきは、医師か患者か

日本薬剤師協会や、患者が主体的に医療へ参加できる社会を目指すNPO法人「COML(コムル)」には、毎日薬剤師に関する苦情や相談、意見が数多く寄せられます。

その中で目立つものが「患者側への対応や配慮より、医師への遠慮が顕著」「担当医の処方や治療内容を批判される」「説明が的を外れていて、医師との意思疎通が乏しいことが分かる」といった、医師と薬剤師の関係に関するものです。

このことから、患者さんは管理薬剤師が思っている以上に、医師と薬剤師の関係や発言に敏感に反応し、不信感や疑問を抱いていることが伺えます。そして何よりも、医師との関係を大切にしながらも、患者自身を尊重して欲しいと願っていることが分かります。

調剤報酬改定を機に、お薬手帳への記載や、薬に関する情報を明記した書面の配布などが薬歴管理課に包含されました。しかしながら、この部分を「面倒だ」と感じる薬剤師がいることも、苦情や意見からは見受けられます。

例えば「薬袋に医薬品情報が記載された書面が入っていたが、内容について一切説明がない」という苦情も多発していますが、裏を返せば、服薬指導の際に丁寧な説明を行っていれば、信頼度も上がりコミュニケーションも深まっていた、ということになります。

また、医師との連携が上手く取れていないばかりに、薬の注意事項や必要性、治療における役割が正しく伝えられず、患者さんに強い不信感を与えるケースも頻発しています。 このケースの場合、医師の指示に疑問があっても「後が怖いので指摘できない」「患者は言いくるめられる」といった、医療人としてあるまじき意識が働く傾向がみられます。

服薬指導の内容や疑義確認の有無などについては、一般人である患者さんも想像以上に敏感に察し、素早く反応します。その点についての認識が疎かになっている薬剤師は、患者さんからも医療現場からも不必要と認定されることでしょう。

医療は、医師や薬剤師といった医療に携わる人間と、患者さんの信頼関係に基づく共同作業によって進行・完結します。 薬剤師は、この基本的な考えを決して疎かにすることのないよう、自分自身を律する必要があるのです。

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